『世界の国際金融センターランキング(GFCI)』から見る日本と香港の金融都市としての未来は?
- 鈴木
- 2023年3月30日
- 読了時間: 3分
更新日:2023年6月29日
世界の主要な金融センターの競争力を比較する世界で最も権威のある『the Global Financial Centres Index(GFCI)』という名前を聞いたことはありますか?
日本のニュースや記事だと『世界金融センター指数(GFCI)』や『世界の国際金融センターランキング』という名前で発表されていることが多いですね。
『the Global Financial Centres Index(GFCI)』は、Z/Yen Partners(ロンドンを代表する商業シンクタンク)が中国開発研究所(広東省深センに本社を置く中国を拠点とするシンクタンク)と協力して発行しており、世界120の金融センターの将来の競争力の評価とランキングを毎年3月と9月に更新・発行しています。
GFCIは、153の主要指標を用いて算出され、これらの定量的指標は、世界銀行、エコノミスト・インテリジェンス・ユニット、OECD、国連などの第三者機関によって提供されています。
先日3月23日、第33回目となる『世界の国際金融センターランキング(GFCI)』が発表されました。

1位ニューヨーク、2位ロンドン、3位シンガポール、4位香港、5位サンフランシスコ!
TOP5は前回の発表と全く変わらないランキング結果となりました。
いかがでしょう?ランキングはみなさんの想像通りでしたか?
評価されたレートを見てみると、ニューヨークはぶっちぎりで1位ですね。
3位以下は評価されたレートはほぼ1ポイントしか変わらず、ひしめき合っていますね。
ランキングを見ると、アジア地域において、今後もシンガポールと香港がアジアの金融都市としてリードしていくことがわかります。
東京は、前回のランキングで7つランクを下げ、今回もその勢いは止まらずランキングを5つ下げ、21位となりました。日本では2017年に『国際金融都市構想』が打ち出され、金融都市化が叫ばれていますが、実質的な政策が見られず、アジアの他の都市とも差をつけられています。
実は、たった3年前まで、日本は同ランキングで3位だったのです。
では、何故こんなにも急落してしまったのでしょうか。
理由としては、別のブログでも述べましたが、非常に高い税率や高度金融人材の不足、語学の問題等が挙げられるでしょう。日本は長らく技術力・国力が高い時代を過ごし、自国以外を受け入れる多様性に欠けてしまったのが原因でしょう。
確かに、香港が中国化していくのではという危惧はわかりますが、どちらかというと最近の流れは、中国と世界との橋渡し、金融のゲートウェイとしての地位を強めようという動きがあります。
ご自身の年齢やどこの国を拠点に生活するか、また資産状況によって、これからどのような資産形成をするのが最適かは多種多様です。
しかしながら、日本だけ。香港だけ。に資産を持つことは理想的でなく、資産のリスク分散をするのがよいことだけは明白なのではないでしょうか。
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