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香港の保険商品の解約返戻金『非保証部分』って何?

更新日:2023年8月23日

香港の保険商品の解約返戻金は、一般的に『保証部分』『非保証部分』に分かれています。


解約返戻金_保証部分とは?

保険会社によって保証されており、必ずもらえる解約返戻金です。


解約返戻金_非保証部分とは?

保険会社の業績等により上下に変動する解約返戻金です。

FTライフ社のイラストレーション

上記は、40歳女性、35,000米ドル×2年、FTライフ社リージェントプライムの実際のイラスレーション(設計書)です。


契約から30年後を例にとって、左から見ていきましょう。

契約経過年数 → 30 = 契約開始してから30年目が終了

払込保険料 → 70,001 = これまでに支払った保険料累計

保証部分 → 90,532 = 契約から30年終了した時点で必ずもらえる解約返戻金

非保証部分 → 27,991、261,174 = 保険会社の業績等により上下する解約返戻金

解約返戻金合計 → 379,697 = 保証部分 + 非保証部分 の解約返戻金


次に解約返戻金合計の内訳を見ていきましょう。

​保証部分

非保証部分

解約返戻金合計

金額

90,532米ドル

289,165米ドル

​379,697米ドル

解約返戻金合計に対する割合

23.84%

76.16%

100%

非保証部分の割合が非常に高いですね!香港の保険の話を初めて聞く人は、『ハイリスクじゃない?』『非保証部分はほとんど支払われないんじゃないの?』と思うでしょう。


私も、IFAに入社して間もないころは、そう思っていました。信じていなかったので自分も保険を買いませんでした。


しかしながら、退職するまでに合計3本の香港保険を契約したのです。


契約するに至った理由は何なのか?理由は2つあります。


理由その1:保証部分の解約返戻金だけでも日本と比べ圧倒的に高い!

非保証部分の解約返戻金の割合が多いのでついついそちらに目が行ってしまいがちですが、まずは保証部分の解約返戻金に注目してみましょう。

FTライフ社のイラストレーション

契約30年終了時の保証された解約返戻金は、90,532米ドルです。


つまり、支払った保険料70,001米ドルの129%!!


私が日本で加入していた○○生命の個人年金保険は、30年後の返戻率が106%。。。


それと比べたら、保証された解約返戻金だけでも、日本とは比べ物にならないと思いませんか?


これが、私が香港の保険商品を契約した1つ目の理由です。


将来、解約返戻金を日本円で利用することを考えている人は、『とは言っても、為替リスクで日本円で受け取ったら、プラスマイナス同じくらいになってしまうかもしれない』という人もいるかもしれませんので、私が香港の保険商品を契約した2つ目の理由もご説明していきます。


理由その2:フルフィルメントレシオ

みなさんフルフィルメントレシオという言葉を聞いたことはありますか?

フルフィルメントレシオとは日本語で、履行率(決めたこと、言ったことなどを実際に行うこと)です。


香港の保険の場合は、『契約時のイラストレーション(設計書)の非保証部分の解約返戻金がどれだけ達成されたか』です。


実際の計算式は以下となります。

※参照:Insurance Authority(香港保険業監管局) https://www.ia.org.hk/en/fulfillment_ratio/index.html


香港の保険会社は、香港保険業監管局によりフルフィルメントレシオを公開するよう義務付けられています。各保険会社のフルフィルメントレシオは下記から確認することができます。


▼各保険会社のフルフィルメントレシオ


例えばFTライフ社のリージェントプライムの場合、過去履行率は100%です。

つまり、過去のPolicy Year1のイラストレーション上の非保証部分は100%支払われたということです。

FTライフ社のフルフィルメントレシオ

他の商品も見てみるとわかるのですが、FTライフ社は履行率が非常に高く、どの商品も大体履行率は100%前後となっています。


契約から30年終了時に、非保証部分の解約返戻金の履行率が100%だった場合、解約返戻金合計は、379,697米ドルとなります。


つまり、支払った保険料70,001米ドルの542%!!

FTライフ社のイラストレーション

円が30年後に今よりも5倍も高くなるなんてことは、まずありえないと思うので、為替リスクを考慮しても、日本の保険よりも圧倒的に増えますね。

 

※米ドル対日本円での為替の例※

実際に解約した際の海外送金手数料や為替手数料、税金等は下記の説明では考慮していません。


米ドル対円で為替の変動について説明します。


例)

契約時の為替:1米ドル=130円

日本円で保険料を支払う場合は、70,001米ドル×130円=9,100,130円。


30年後に為替レート:1米ドル=130円で、解約返戻金が379,697米ドルだった場合。

解約返戻金は、379,697米ドル×130=49,360,610円となります。


では、解約返戻金が379,697米ドル(支払った米ドル保険料の542%)になったのに、日本円で受け取ったら、為替リスクのせいで1円も増えなかったという場合の米ドル対日本円の為替レートは、、、、


9,100,130円(日本円で支払った保険料)÷379,697米ドル=23.97


つまり、1米ドル=23.97円です。


過去最も円高となったのは、1995年の4月19日にドル円が初めて70円台を記録した時です。


つまり、1ドル=23.97円ということは、どれだけ非現実的なことか想像いただけたのではないでしょうか。

 

さて、いかがでしたでしょうか?


『香港の保険には興味があるけど、いまいち非保証部分の解約返戻金について理解ができない』『非保証部分の増え方が心配だから契約に踏み切れない』という方は、上記の方法で各保険会社のホームページを見てみたり、為替の計算をしてみたりするといいでしょう。




※解約返戻金を受け取る際は、居住国の税制に従う必要があります。

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